ファッション::
「―――柄物のキャミソールに七部のジーパンとか似合うと思うんだ」
「―――……今日は槍でも降ってくるかな……レインに鉄の傘でもお渡しせねば」
「いや、俺も男に目覚めたと思って黙って聞け。朝子がな、お前はせっかく女の子だというのにいつも同じ服で勿体ないと喧しい」
「君もそう言えば同じファッションだね。何千回とボロッボロにされるワリには自己修復でもしてるのか同じファッション繰り返してるよね」
「俺達にとって服はアイデンティティなんだよもはや」
「ならば僕も自分のアイデンティティを大切にしようと思う。……余計なお世話だ」
「そうツンツンするなよ。俺だって実のところ服装なんてどうでも良い……」
「帰れ。朝倉さんの元に帰れ。土に還れ」
「お前、オブラートに包んでる様で実はかなりストレートだからなその表現」
「―――回り道は……」
「そのセリフはもう良い。ほら、とにかくせっかく朝子が用意したんだ。コレとかコレとかコレとかコレとか着てみろよ」
「何でそんな用意してるんだよ。多すぎだろどう見ても」
「お前胸無いから着物とかの方が良いのかも……ぐぶふ」
「君はどうしてそう一言二言余計なんだい。仏の顔が三度保つと思うなよ僕の場合」
「お前の場合一度も保った事ねーだろ……がぶふっ」
「あ、なんかすっごく無駄な時間過ごした気がする。レインの所に行こう……鉄の傘を届けねば」
「お前のご主人だって、お前がちょっとお洒落して見せたら結構喜ぶと思うぜ。特に女物なんて着ていった日にゃあ、たぶん号泣間違いなし……」
「ビート、これなんてどうだろうか」
「―――……」
「ああでもコレだとちょっと露出が多いかな……あんまりフリフリだとレインをお守りする際に支障が出るし……ふむ、そう考えると確かにキャミにお洒落ジーパンがなかなかベスト……」
「うん、もう何か突っ込む気も起きねぇ」
「そうなると流石に僕も下着に気を遣わねばならないな。紐無しブラでも購入せねば……」
「はあ? お前のその胸のどこにブラが必要なんだ……ぶばふっ」
「―――あ、朝倉さん? ちょっとこの鼓動野郎引き取ってくれないかな? 通行の邪魔って言うか今日生ゴミの日じゃ無いから捨てられないんだよね。うん、よろしく頼むよ」
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オープンマイハートどころじゃない。オープンセクハラだ爆