忍者ブログ
夢捨て場
日常報告及びネタ暴露専用のブログです
Admin / Write
2024/05/21 (Tue) 03:38
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011/07/07 (Thu) 21:25
さあああああらさらあああああああっっ!!!!

うっわすっげー昔に拍手に載せた記憶がある七夕蒼猫ss発見っっ!!!////
しかも大人設定だ!!
猫娘が成長しているのを見るのが嫌な人はどうぞそのままスルーしてください笑

拍手



七夕::(大人設定)


「七夕の時期か…」

 夜空を見上げて、一年に一度巡り会う、彦星と織り姫を思う。
 何だか非常に親近感が沸くのは、自分も似た様な境遇だからだろうか。

「ま、俺の場合一年に一度じゃねえからな…」

 会おうと思えば、会える位置に彼女はいる。
 十分か。
 贅沢も言ってられまい。

 それでも。

「―――会わせてくれないかねぇ? 今だけ」

 ほんの一目で良いんだけどなァ。
 ざくざくと歩き続ける山の中。
 夜空を見つめていると、蒼坊主の眼にちかりと一筋の光が映った。
 流れ星だ。
 なかなか良い趣ではないか。少し得した気分になって歩き続けること約数時間。

「―――え」

 何だか非常に懐かしい匂いが鼻につく。嗅ぎ慣れた山の匂いが、蒼坊主の鼻を刺激する。
 そして。

「蒼さん!」

 ええ、と思わず自分でも間抜けな声を出す。
 これは幻聴か。幻覚か。蜃気楼か。何時の間に海を渡ってサハラ砂漠へ。いやいや如何に方向音痴の自分でも、海渡った事くらい気付くだろう普通に。
 ならばこれは現実か。現実なのか。

「お帰りなさい、蒼さんっ…! 帰ってくるなら連絡くれれば良かったのに!」

 そうか七夕だからか。
 小さい頃はよく可愛い金魚の柄の浴衣を着ていたが、この年になるとしっとりとした朝顔の模様がよく似合う。紫の柄に青い帯。ああ、トレードマークもいつもと違った青紫のきれいな布。
 薄く桃色の紅が引かれた唇が弧を描く。

「もう蒼さん、何ぼうっとしてるの? 鬼太郎が…」

 そこにいるのよ、と告げた唇を、親指の先で制した。
 きょとんと首を傾げる彼女に、いたずらを考えついた子供の様に蒼坊主は笑ってみせる。
 しい、と己の口元に人差し指を当てて。

「静かに。お星さんが驚いて逃げちゃうだろ?」

 一瞬見開かれた金色の瞳。途端ぷ、と小さく吹き出して、何言ってるのと彼女は唇を動かす。
 蒼坊主はそんな猫娘の肩を、静かに引き寄せた。

「ただいま、…猫」
「…お帰りなさい、蒼さん」

 耳元で囁くと、彼女はコオロギの様な涼やかな声で、優しくそう返すのだった。

 

--大人猫は着物の似合うべっぴんさんになって欲しいと切に願う。
PR
  HOME   651  650  648  647  646  645  644  643  642  641  640 
プロフィール
HN:
shino
性別:
非公開
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
忍者ブログ [PR]