リタイア::
「え、ちょ……リタイアって……ダメだろいきなりリタイアしちゃ!?」
『ダメと言われても……だって何だか追いつこうにも追いつけないし。僕だって早く凪の元に行きたいよ』
「凪の元じゃなくて正直に俺の元だとい……」
『バッテリーが勿体ないからそろそろ切るよ』
「悪かった。真面目に話を聞こうラウンダバウト」
『いや、本当にもう何も話すことは無い……あ、羽原くんダメだよむやみやたらに突っ走ろうとしちゃ!』
「羽原だと!? そこに例のあの羽原がいるのか!? お前いい加減そいつとの関係を包み隠さず俺に……」
『割り込み着信来たから切るよ』
「すまん。黙って話を聞こうラウンダバウト」
『だからもう話すことは無い……ちょっと羽原くん! 全くさっきまで君がストッパーだったってのに……諦めたまえよ。ちょっとディシプリンで調子に乗ってるビートが来ちゃった時点で僕らの出番は終わりだったのさ』
「あの……さり気なく俺を責めるの止めてくれません?」
『大体元々は僕らの方が真相に近づいてたって言うか、ディシプリンの時だって僕あいつより先にある意味真相まで到達してたのに何だよこの咬ませ犬状態って言うか? しかも何かパートナーとか出来てノリに乗っちゃってるんだよねあのピート・ビートとか言う合成人間……』
「―――その、悪かったよ」
『まぁその分僕らの死亡フラグは完全に絶たれたも同然だから安心すると良いよ羽原くん。死にかけるのは大概ビートだ』
「お前な……」
『しかしながらここで朝倉さんに大けがさせたりしたら僕は君に幻滅するね。良いかいピート・ビート、お前がパートナーであるからには朝倉さんを全力で守るんだ。今誓え、そう誓え』
「あのな……」
「奈良崎くんっ……! ありがとう今度パフェおごるからね! 私も奈良崎くんの無事をずっと祈ってる……!」
「―――朝子」
『ありがとう朝倉さん……こんな僕を許してくれて。でも本当に気を付けて……ビートは疫病神だから』
「解ってる……! 私のハッピーで何とか相殺して見せるわ!」
「お前らな」
『それじゃ朝倉さん。凪をよろしく』
「任せて!」
「だから……何でそう勝手に話進めるんだよお前らはっっ!?」
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朝子と克巳は仲良くなれると思うんだ俺絶対。