ギブアンドテイク::
「―――去年はしっかり僕は君にチョコをあげたはずだ」
「―――……」
「でも、お返しは、無かった」
「―――……」
「それで、今年も、君は僕からチョコが欲しいって?」
「―――……」
「おこがましいにも程があるんじゃないのかい!?」
「いや、まぁ、これがオトコゴコロと言うか……」
「そう言う問題じゃないんだよ。僕が許せないのは全然等価交換になっていない事なんだよ。僕だけが消費だなんてズルイじゃないか。君も消費したまえよ」
「俺はほら……別の方向でたくさん消費してるって言うか」
「何に。何に消費してるんだってんだ君は」
「―――だから、その……」
「―――……」
「―――愛、っていうか」
「君一発そこで寒中水泳でもやってきたらどうだい」
「殺す気か!?」
「違うよ。ちょっと三途の川渡ってくれば良いって思っただけさ」
「同じだよ!?」
「二月の川はそりゃもう冷たくて心地良いと思うよ。君好きだろ、冷たいプールとか海で泳ぐの。既に二回も決死の寒中水泳やってるし」
「不可抗力です。因みに一回目はお前の所為です」
「君が油断したのがいけないんだよ」
「お前も油断したよなー。最初の戦闘シーンでまさかのぽろり……いで!」
「そう言うセクハラ発言は控えろと言うのに! ホントにそこの川に放り投げるぞ!?」
「―――因みに、ちょっとは大きくなった?……あでっ!」
「黙れと言うとろうに!?」
「おまっ……お前トンカチはねぇだろ!? どこに持ってたんだよ!?」
「僕のポケットは四次元なんだよ!」
「初めて知ったよそのネタ! つかどうしてバレンタインからこういう話になったんだよ!? どうせチョコ用意してるんだろ!? 恥ずかしがらずに渡せ!」
「どこまで偉そうなんだい君は!? そんなに僕が優しいと思ったらそうはいかないね! 今回はギブアンドテイク! 君も今から僕に捧げモノを用意するんだ!」
「―――……ええええ」
「心底面倒くさそうな顔するなよ!?」
「いやだって……心底メンドイし……」
「じゃあやらない。僕も絶対にやらない。お前なんかにやらない」
「―――ギブアンドテイクかー……」
「そうだ。そうじゃないと絶対あげない」
「―――じゃあ、一番楽なギブアンドテイクがあるんですが」
「……お前、どうしてそう何でもかんでも楽な方向に進もうとするんだよ……」
「とっても楽でとっても素敵なギブアンドテイクがあるんですが」
「―――いや、別に、良いけど……近い。近いよビート。すっごく近い」
「どうして近いと思う?」
「うん……何となく想像ついた。―――やっぱ遠慮します」
「遠慮するな」
「いえ、遠慮します。断固遠慮します」
「それ、遠慮じゃなくて拒否だよ」
「拒否です拒否! もう既に僕の前には凄まじい厚さのATフィー●ドが!!」
「見えません」
結局奪われちゃった☆
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しっかし何で聖職者が殉教した日がこういうイベントになったのやら…by凪