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夢捨て場
日常報告及びネタ暴露専用のブログです
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2010/07/27 (Tue) 17:43


超絶久しぶり……四期鬼太郎、突発ss↓↓↓
 

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逃げ水::

 ぴょん、と飛び跳ねては、顰めっ面をする。
 鋭い眼光で地面を睨み付けたかと思えば、次はまたねらい定めてジャンプ。
 木々の合間から零れる陽光に当たって、浅紫の髪がきらきら輝いた。露を帯びた桔梗の様に、きらきらと。

 何をしているのかな、と気にしながら鬼太郎は声をかけない。

 ただ必死に、こちらの気配にも気付かず夢中になって飛び跳ねる彼女を、静かに静かに見つめている。気分はファーブル。彼はこんな風にして、一所懸命昆虫を見つめていたのだろうか。このことを彼女に伝えたら、おそらく「私は虫か!」と烈火の如く怒るに違いない。

 そうして観察すること数分、ようやっと彼女がこちらに気付いた。
 否、気付かされたと言った方が正しい。
 彼女が懸命に追いかける“何か”がこちらに向かって移動してきたのだ。

 それは初め輝く光の物体に見えた。
 しかし地面をするすると這って、こちらに近づく姿は間違い無く水たまりである。
 透明な水たまりは、七色に反射しながら鬼太郎の方に向かってくる。

「鬼太郎、捕まえて!」

 前方から響く必死の声に、思わず鬼太郎は水たまりの端を下駄で押さえた。
 水たまりは懸命に逃げようともがくが、鬼太郎の足が……と言うより彼の下駄が、地面にしっかりそれを縫いつけて離さない。

「―――猫娘、これどうする……」

 顔を上げて彼女に尋ねる。
 しかし言葉は最後まで放たれることは無かった。

 いつの間にかすぐ側まで駆け寄っていた彼女。
 その数歩手前で、彼女は勢いよく地面を蹴る。

―――あ。

 反応する間もない。
 彼女の桃色のきれいな靴と、白い足は、まっすぐ鬼太郎の足下の水たまりに向かって……

 ―――なんてコトはない。激しい水しぶきを巻き上げながら、彼女はダイブした。


「―――……」
「―――……」


 頭から泥を被り、きれいな服も顔も泥だらけ。
 けれど驚くほど清々しい笑顔で彼女は告げた。


「水たまり見ると、やっぱりやりたくなっちゃうの」


 ああ、それは……

 

「―――僕も、そうだ」

 

 だから鬼太郎は、顔の泥を拭うことも忘れて思わず彼女に微笑んでしまった。 
 

 
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漫画で書く気力が無いほどに暑いよ世の中……

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