ミクロピュアラブ祭……第20弾!
来ました! とうとうやりました! 20作品目ですっっ!!!!
しかも記念すべきこの第20弾を飾るのは、大和様っっ!!!!
あの大和様がいらしてくださいました! ヤッフー!!!!!☆★☆
題は「にいちゃんの髪」
CPはなんとSBM(スーパービックリマン)・漫画版のサラ→ティキ!
聖樹キングダムではティキの髪を結うのはサラのお仕事……vv
今日もまた、サラはティキの髪を不器用ながらに結ってあげるけれど……
どのジャンルでも決してその雰囲気を壊さない! すばらしい大和様の作品は「つづきは~」から!
「にいちゃんの髪」
「にいちゃん、髪結ったろか?」
うちが、少しも照れないでこの台詞を言うとるんと、思われてんやろか。
そんな事、あらへんのに。いつも、ドキドキしながら言っとんのに、全くこのティキのにいちゃんは鈍感だから分かってくれへん。
「ん? ああ、サラか。……悪ぃな、頼むわ」
むっちゃ早起きで寝起きのティキにいちゃんの髪はボサボサで、綺麗に編み込まれていた三つ編みもぐちゃぐちゃ。
ティキにいちゃんの髪さわるの、うちの密かな楽しみやねん。
「うん」
ティキにいちゃんに許されて、うちの頬はゆるんだ。欠伸を噛み殺しながら近くのソファーに腰かけたティキにいちゃんの後ろに、うちは櫛を持って近寄った。
ティキにいちゃんの髪をしばってる紐をほどいた。ティキにいちゃんの髪は長くて柔らかくて、意外と繊細や。まるでティキにいちゃんの髪だとは思えん位にな。ティキにいちゃんは海の帝国の王子サマやのに、全然王子サマらしくあらへんのやから。気さくやし、楽しいし、うちみたいなモンにも優しいし。マリアねえちゃんなんかがよくティキにいちゃんからかって楽しんでんの見てると、むちゃ腹痛くなる程笑えるし。
「イテッ」
「あ。ごめんよ」
知らん内にティキにいちゃんの髪がうちの指に絡まって、引っ張ってしまったみたいや。うちは謝ってからティキにいちゃんの髪を解き、丁寧に櫛を入れた。
「にいちゃんの髪、やらかいなぁ。気持ちええわ」
「そうか?」
「うん。まるでわたあめみたいや」
甘くて美味しいわたあめ。うち、大好きやねん。
ティキにいちゃんはうちの言葉に笑顔になってくれはった。ドキドキする笑顔に、うちの頬が熱くなった。
「わたあめか……。ひとの髪、美味そうって喰うなよ?」
「誰が喰うねん!」
お決まりのツッコミの後、ティキにいちゃんは声をあげて笑ってくれはった。
ああ、この笑顔や。この明るい声や。
フェニのにいちゃんやマリアねえちゃん、アスカに向けて、いつもこうやってティキにいちゃんは笑ってんねん。これ、すっごくいい!
ひとりじゃないんだって、すっごく思えるんよ。
――『聖樹キングダム』にティキにいちゃんたちが来るまで、うちは年の近いモンとは誰とも会うてへんかった。ひとりぼっちじゃ、なかったんやけどな。ピーターさんだって、フッドさんだって、海母クイーンだって、プタのおじちゃんだって一緒に居てくれたし。
でもな。何か違うんよ。
うちは戦士でもないし、何の取柄もないし、単なる戦災孤児やし。
みんなの中にいても、うちは本当は淋しかったん。
そこに来てくれはったティキにいちゃんたちは、聖戦士の子孫だっていうのが信じられへん位、人懐っこくて優しくて、うちはいっぺんに大好きになってもおた。
うちに素直に髪を梳かせてくれはるティキにいちゃん。……忘れてはるかも知れへんがな、うちに初めて声をかけてくれはったのは、ティキにいちゃんなんよ。
にっこり笑って、くしゅくしゅって頭なでてくれて、その、うちにとっては大きな手とあったかさにうちがドキドキしたのなんて、この罪作りなにいちゃんは知らへんのやろうなぁ。
ティキにいちゃんの髪。ふわふわで優しくて、気持ちええ髪。
うちは丁寧に何度も何度も櫛を入れた。
「なぁ、にいちゃん。もうじきみんな起きてくるかな」
「ん……ああ、そろそろな……」
「にいちゃん」
「………」
「……にいちゃん?」
ティキにいちゃんの頭がカクンと前に船をこいでいるのが、うちからもよう分かった。
「にいちゃん、寝はったん?」
うちは櫛を入れてる手を止めた。そっと覗き見ると、ティキにいちゃんは本気で寝る態勢に入ってはった。首がリズム良く前に揺れて、その都度ふわふわの前髪も一緒に波みたいに揺れる。
「にいちゃん、気持ち良かったん?」
寝てるティキにいちゃんに、そっと声をかけてみるけど、にいちゃんは全然反応しない。ゆるんだ顔――少し笑った顔で、寝てはるわ。
朝まだ、早いしなぁ。
「にいちゃん……うちな……うち……にいちゃんの事、特別大好きなんよ?」
寝てるから言える言葉。うちの――精一杯の告白。
ティキにいちゃんはぐっすりで、聞いちゃいない。
でも、ええんや。
いつかうちがぐんと大人の女性になって綺麗になったら、もう一度言ってティキにいちゃんにあっと言わせてやるんや。
それまでは、これで我慢したる。
うちは、ティキにいちゃんの髪を三つ編みし始めた。
<fin>
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どぐぶふっっ……!(流血)
大和様絶対に私を悶え殺す気だっっっ!!!!!!
漫画版の男前ティキ! …になんだこのトキメキ可愛いサラはあああっっっ!!!!!!
もう本当にそれぞれの作品の世界観を見事引き出し、その魅力を最大限に活用する大和様……!
記念すべき20作品目にふさわしい……否、世界はこの瞬間を待っていた……っっ!!!
大和様、本当に素敵な作品を有難うございますっっっ!!!!
方言がかなり可笑しいです。何処の言葉やねん、な文で申し訳ありません。…ほとんど、自分が普段使ってるどこの方言やって会話で成立されていますので、真に受けないでくださいね(←って、だれもおらんわ)