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夢捨て場
日常報告及びネタ暴露専用のブログです
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2009/08/15 (Sat) 14:14

MH祭~夢草紙~ 第19幕

根性で描き上げたぜっ……あと一つで20幕!

もう何も言わずに「つづきは~」をのぞいてください、後生ですから!

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 デューラーの『祈りの手』を見ている時、隣にいた友人のYがふと私に言った。

「昨日、お前夢に出てきたよ」

 何でもはじめはただ荒野をとぼとぼと歩いていた様だ。
 枯れてやせ細った木がまばらに生える、茶色の大地。風はなく、それなのに空の雲はものすごい早さで前から後ろへと移動する。
 その荒涼たる大地を歩いているうち、地平線に白い雪原が見え始めた。
 そこに私は立っていたと言う。

「すっげー青ざめた顔でオレを呼ぶんだ。手招きするんだ。とにかくもう、来てくれといわんばかりに」

 何かあったのだと思ったらしい。彼は走り出し、少しずつその雪原に近づいていく。
 どうした、と私に声をかけながら近づいたらしい。そのうちに、少しずつはっきりしていった。辺りの景色が。
 ぎりぎりまで雪原に近づいて、そしてそれに気付いた時彼は立ち止まった。
 思わず足が止まってしまった。そう言って彼はこちらを向いた。

「雪だと思ったら、それ全部……手だったんだよ」

 真っ白な手が、地面から無数に伸びている。そして風にたなびく草のように、波に揺れる海草の様に、それはゆらゆらとYを手招きした。
 私はそのど真ん中にいて震えていた。
 見れば、私の二本の足は、その大地から生える二本の真っ白な腕に、しっかと握りしめられていたらしい。

「……それで、どうしたんだ」

 尋ねれば、彼は笑って言った。


「わり、怖くて逃げた」


 お前置いて逃げた。「待てよぉっ。置いていかないでくれよおっ!」と叫ぶ私の声が、今でも耳から離れないと言う。


 薄情な、とは思ったが、もし逆の立場なら私も彼を見捨てたろう。
 だから黙っていた。ふと私が見下ろす先、彼の足。そして、隣の私の足。

 靴下に隠れて見えないが、その足首にしっかりと真っ赤な手形が付いていることを。



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白と黒ってそれぞれ別次元の怖さがあると思う。
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