MH祭~夢草紙~ 第17幕!
あのすばらしい作品の後にこれを出すかオレ!
って感じではじめから土下座します。
三期鬼太郎、ギャグ調ホラー。それ即ちホラーじゃない。
すみませんこんな作品で終わらせたくないんで誰か是非作品を……作品をください世界のためにー!!(絶叫)
あ、「つづきは~」からどうぞ。
夢の中でもアホしてる::
「よーっすキタローご無沙汰ー」
「地獄童子……なんだ、本当に久々だな。今まで何したんだ?」
「フッツーに幽子とラブラブぶらぶらしてた。いやつか問題はそこじゃなくてよ、何か最初に“タ”が付いて最後に“マ”が付く鬼太郎の連載のおかげで俺たちマジ出番ねーんだわ。先輩として何か言ってやって」
「そうか、見事忘れ去られた結果というわけか。まぁ良いじゃないか僕は平和そのものだったわけだし」
「ひでぇ。俺なんて鬼太郎に会いたくて会いたくてうずうずしてたってのによ。俺たちの友情はそんなもんか!? こんなみみっちぃものだったのか!?」
「こんなもんだよ僕たちの友情なんて。んで? 今日は何の用だい?」
「用が無くちゃ来ちゃダメってか!?」
「基本的にお前が来てもろくな事無いから用があっても来ないで欲しい」
「ひっど! 鬼太郎ひっどっ! 嬢ちゃんと上手く行かないからってそのストレスを俺で発散するなよなお前ー!」
「な・ん・で、そーなるんだよ! ちゃんと僕たち仲良しですー! 仲良くしてますーっ!」
「やっほー鬼太郎! おすそわけ……って地獄童子じゃない! 久しぶりー!」
「よっすお嬢! 久々ー!」
「ほらな、ちゃんと仲良くしてるだろ。仲良しこよしだろ」
「何の話?」
「それよりお嬢! 今日のおすそわけ何だ?」
「今日は夏らしくスイカを……っていうか何しに来たの?」
「お嬢までそれを聞くっ……!」
「いやだって大体地獄童子が用事ある時って面倒事ばっかりって言うか……」
「俺は疫病神かっっ……いーえ! どうせ用事は無いですよ! 俺は鬼太郎に会いに来たんです愛しの鬼太郎くんにー!」
「見事なスイカだな、冷やして食べようか。重かっただろう」(ムシ)
「ぜーんぜん。一応キンキンに冷やしてたんだけど、そうだね、もう少し水かけて……」(見事にムシ)
「あのー、話聞いてくれますー?」
「あぁ聞く聞く。何だ?」
「相変わらずこうやってぐだぐだ進めやがってさ……本題来る前におわっちまうよMH祭!」
「さっさと言えよ。あ、タライはそこの棚にあるよ猫娘」
「いやーそれがよ、昨夜めっっちゃくちゃ怖い夢見たんだわ俺。もう夢見悪くて暫く眠れねー」
「地獄で寝るのかお前。あ、水は外の井戸がめちゃくちゃ冷たい……良いよ、僕が行ってくる」
「スイカの前に話聞けっつの!! それでさ、その夢の内容なんだが……俺は気が付くとある部屋に立っていたんだ……」
「部屋?」
「そう部屋。真っ白な部屋でさー……四畳半くらいしかないんだがこれまた見事に何も無いんだわ。床も天井も全部白。ただ正面に……窓がある。その横にこれまた白いカーテンがあって」
「なんか……神秘的ね」
「そうか? 何もない白い部屋だぜ。窓から木の陰と、あと太陽の光が差し込むんだが……窓は開いてないんだよ。窓の向こう側からはひぐらしの声が聞こえる。
とはいえ、窓が開いてないからどうもこう……孤立した感じはあるんだがな。なんつーか、ここだけ空間切り取られたような」
「それで、そこで何があったんだ」
「それがさ、カーテンが動いたんだよ」
「―――……」
「窓が開いてないから、風じゃ無いんだよな。でもさ、動いたんだよ。人がくるまってるのか、って思った。そう思ったら、何かくるまってる感じがする。そんな感じが強くなった。誰かが……人が、カーテンにくるまってる」
「―――……」
「んで、俺は何か知らないけど思わず『幽子』って呼んだわけ。幽子じゃないって気配でわかってたんだけど口から出てきた。その瞬間、動きが止まった。ぴた、ってカーテンが動かなくなった」
「―――……」
「俺はカーテンに近づいた。ゆっくり、ゆっくり近づいた。そこに何がいるか、確かめるつもりで近づいた。幽子じゃない。それはわかる。でもならば……ここにいるのはなんだ?」
「―――……」
「おそるおそる、カーテンに手をかける。そこに手応えはあまりない。俺は喉を鳴らし、思い切ってカーテンをめくった! だがな……」
「―――……」
「何も無かったんだよ。カーテンの向こうには何も無かった。思わずほっとして、んだよんじゃあれは何だったんだって俺は思った。んで、ふと今掴んでいるカーテンの裏側を見た。そこで俺は氷ついた」
「―――……」
「……なんと……カーテンの裏側にはびっしりと大中小のカメムシが「「怖っっ!!!!」」
「反応はえーよしかも何だよそのぴったり息の合ったかけ声」
「いや、何かここいらで叫ぶ雰囲気かなって」
「大体カメムシかよ。ここまで来てカメムシかよ」
「あいつらの臭さは尋常じゃないんだぜ。もうあのボス中ボス雑魚的なびっしり感が嫌だった。堪らなくきもかった」
「あーでも私も似たようなことあったよ。現実で」
「うわお嬢の部屋カメムシ大発生かよっ!?」
「違うわぼけ。いや、窓開いてないのに無駄にカーテン動くから、何かな~と思ってカーテン開いたら……」
「―――……」
「―――……フッツーに一反木綿だった。いやーあの時は流石に驚いたわ。何で私の部屋にいるのって感じで」
「……ホントに何であいつ君の部屋にいたの」
「さあ? 何でも雨宿りとかで部屋に入ってぶら下がってたらそのまま寝てたとか」
「……うら若き乙女の寝室に潜り込んでそのまま寝くさるたぁ良い度胸じゃねぇか一反木綿!!」
「あれ、何で鬼太郎怒ってるの?」
「自分でもやったこと無いドキドキ破廉恥シチュに嫉妬の炎が燃えたぎってるんじゃないか」
「あたしの部屋なんて何も無いけど?」
「そう言う問題じゃねーんだよお嬢……っておい鬼太郎どこへ行く。スイカは!? お前スイカはっ!?」
「ばらばらに引き裂いてやるナイトメアをプレゼントしてやるから覚悟してろ一反木綿ー!」
「鬼太郎ったらっっ……私のためにっ!」
「お嬢、ここは止めるトコ。全力で止めるトコ。まいっか。スイカ食おーぜスイカ」
「結局あんた何しに来たのさ」
「ん……スイカ食いに来た、に変更するわ。俺」
「帰れ」
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むしろオレが退場します。