ミクロホラー祭第8弾!
今回は明都様より、鬼太郎五期、CPはザンビアで肝試しネタをとの司令を受けましたので、早速書かせて頂きました!
ネタ提供有難うございますvv
おおう!まさかの第8弾っっ…
ここは是非終了までに10を越えたい所っっ…!!
取り敢えず折角ホラー祭だというのに今回ホラーもどきの完全ギャグです。
何処までも巫山戯てます。
真面目に巫山戯ています。そんな自分にそろそろ愛想尽かしそうです。
それでは、続きからどうぞ↓↓↓
肝試し::
鬱蒼と茂る森の中。濃厚な空気が立ちこめ、時々木々の合間を風が踊るように通りすぎる。ビルの合間で感じる、むしむしとした空気とは違い、鳥肌が立つような冷たい空気が流れる。それは彼らにとっては非常に好ましい温度であったけれど。
その風にふわりと髪を靡かせて、先を行く少女は鼻歌交じりにこの闇夜の森を歩き続ける。
対してその後ろを着いて歩く男は、眉間の皺を一本深く作りながら、小さく唇を動かした。
「…君にこんな趣向があるとは思わなかったよ」
くるり、とアメジストの髪を揺らしながら、彼女は振り返る。
「あらそう?」
「ああ…つかまず一つ、思いっきり突っ込ませて貰っても良いかい?」
「許すわ。さあどうぞ」
彼女の許しも得た事だし、と彼は思いっきり息を吸い込んだ。
「…君、魔女だろ」
彼女は一瞬顔を顰めた。
「何分かり切ったことを…それが何?」
逆に問われた彼は、ふう、とこめかみを引きつらせながら続ける。
「…何でこんな田舎臭い行事になんかに参加してるんだい?」
そう言う彼らは、現在チョウナイカイだかが運営するキモダメシとやらに参加している。
何でも古代から行われている日本の儀式らしく、日本の妖怪達が人間達をおどかし、それに屈することなく墓場の宝を手に入れた者が、成人として迎えられるという…
…と言っていたのは最近耄碌が激しい我らが統帥バックベアードであり、ドラキュラ三世はちゃんとこの行事が物好きな人間達の娯楽であることを知っている。
「…しかもおどかす方じゃなくて…驚かされる方」
「別に参加している訳じゃないわ。ベアード様のお言いつけ通り、このキモダメシに参加している鬼太郎達を倒すためにいるだけよ」
「じゃ何でわざわざ参加者ルート通ってるんだ…」
「まずは下見よ。敵の情報を掴んでから攻撃開始」
「…わざわざ私服買ってきてね。おかげで僕の財布はとても軽くなってしまったよ」
「荷物が減って良かったわね」
そう言う彼女は、今日本で流行りのひらひらしたワンピースを履いている。しかしどうしても理解出来ないのは、スカートの下にズボンをわざわざ履いていることだ。折角足を出して涼しい格好をしているのに、それでは意味がないと思うのだが、最近の女性達は違うらしい。
ザンビアもそれはそれは楽しそうに服を選んでいた。悔しい事にこの娘、口は悪いが確かに顔は良い。今でも十分このどことなく安っぽい格好を上手く着こなし、愛らしさを引き立てている。
とても素直に褒める気にはなれないが。
「それにキモダメシは私たちで言うハロウィンに近いって言うわ。今年のハロウィンの参考になるかと思って」
にこり、と微笑んで告げる彼女に、ドラキュラ三世は思わず美しい三日月を仰いで囁く。
「…今年は帰れるかな…」
故郷に。
その呟きにザンビアは笑顔のまま凍り付いた。
冷たい風が吹き抜ける。
二人は揃って大きく嘆息し、肩を落とすのだった。
「それにしても…」
ザンビアは不意に胸元に風を送りながら辺りを見た。
「ニホンは本当に湿気が多くて嫌になるわ…」
そう言う彼女、及びドラキュラ三世の周りには、確かになま暖かい風が吹いている。
日本妖怪はこの風をえらく好むらしい。何でも人にとっては不気味な要素だが、妖怪にとってはテンションが上がる代物のようだ。ドラキュラ三世はどちらかというと、ザンビアと同じくこの様な湿った風は好まない。
はてしかし、先程までえらく爽やかで涼しい風が吹いていたのではかっただろうか。
森の木々に冷やされた風が、涼しく自分たちの体を駆け抜けていたではなかったろうか。
その時不意に、気配を感じる。
これは…
思わず身構えたその時、隣にいたザンビアがものすごい悲鳴を上げた。
「っ!?」
彼女に何事かあったかと思って、ドラキュラ三世は慌てて彼女の方を振り向いた。
彼女の身を案じた。彼女を助けようと思った。
…のだがしかし。
「いやああああああ!!!!」
がし、と掴まれた腕。
え、と思った時には、その細腕からは信じがたい程の力で、ドラキュラ三世は地面を引きずるようにして彼女に引っ張られていたのだった。
***
はあはあ、と荒い呼吸が聞こえる。
ドラキュラ三世は流れる額の汗を拭って、息をついた後、思いっきりザンビアを怒鳴りつけた。
「何やってるんだ!」
「煩いわねびっくりしたのよ!」
「君魔女だろうがっっ!」
「魔女だってびっくりする事くらいあるわよっ!」
「本来おどかす側が驚かされてどうする!?」
本末転倒だ! と叫ぶドラキュラ三世に、ザンビアは無性に己の首を気にしながら言い返す。その声はいつもより覇気が無く、震えていた。
「き、気持ち悪かったのよっ…何よこれ、まだぬめぬめするっ…」
そう言う彼女のもう片方の手は、ドラキュラ三世の腕を掴んだまま離さない。
その手が震えているのを感じて、彼は驚いた。本当に、目の前の彼女は怯えているのだ。屈強な敵を前にしても、何処までも意固地に強がる彼女が。今、目の前で。
「ーーー…」
ふ、とその手を握る。彼女はドラキュラ三世を見上げた。彼は尋ねた、どうした、と。
彼女はそんな彼に、一瞬思いっきり顔を顰めるが、ぽつりと告げた。
「首に、冷たい…なんか変な物が触れて…」
ぷよぷよして、とてつもなく気味が悪かったと彼女は告げる。
その話をドラキュラ三世は何処かで聞いたことがあった。確かそれは…
「コンニャク、と言う日本妖怪の事じゃないか…?」
コンニャク?とザンビアが首を傾げる。そうだ、確か日本にはものすごい妖怪が存在すると聞いている。
「何でも日本の名刀ザンテツケンとやらでも切れぬ、ものすごい妖怪だそうだ。初めは唯の箱の様に見えて、実は糸状になったり、球になったり、自由に姿を変えられるらしい」
「な…そんな怖ろしい敵が日本に…?」
鬼太郎達は何でそんなものすごい味方を呼ばなかったのだろう、とザンビアは首を傾げる。
もしや、と二人は顔を見合わせる。
「奴ら、ここぞという時の伏兵として…?」
「まずいわ、この事…何としてでもベアード様に伝えないと!」
二人は肯き合い、立ち上がった。
この時になって、ようやっとザンビアはまだ彼に己の手が包まれていることに気付く。
不意に珍しく顔を赤らめた彼女は、乱暴に彼の手を払った。
「…一応、いっとくわ。ありがとう」
何だ、今日は雹でも降るかな…
呟くドラキュラ三世に、ザンビアは顔を真っ赤にしながら拳を振り上げるのだった。
***
鬼太郎は脱兎の如く駆けていった二人の後ろ姿を呆然と眺めた。
いやぁ、未だ面白い反応をくれる人間がいるんだなぁ…
…こんな陳腐な仕掛けで。
手に持つ竿を見つめる。
その時後ろから聞き慣れた声が響いた。
「鬼太郎お疲れ。どうだった?」
見ると信頼する相方が、金色の瞳を光らせて首を傾げている。鬼太郎は「すごいカップルだったよ」と告げた。
猫娘は小さく肩を震わせる。
「うん、こっちまで悲鳴が聞こえてきた。でもまさか…」
猫娘の言いたい事が解り、鬼太郎は“それ”をたぐり寄せて続きを言う。
「こんにゃくであそこまで驚く人がいるとはね」
はてしかし、あのカップル何処かで見たことがあるような…
まあ良いか、と鬼太郎はぷるるん、と面白おかしく震えるこんにゃくを手放した。
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酷い文なりけり…(過去詠嘆
テンション高いままむちゃくちゃ書くからこう言うことになるのですねふふっ…
しかしながら明都様! ネタ提供有難うございますvv
色々とごたごたしてしまって申し訳ありません;;
ご了承頂きまして真に有難うございます!
自分ドラザンは初挑戦だったので非常に謎なドラザンになりました…が、快く明都様はOKを出してくださいました////
これからはもっと精進します…;;
さあミクロホラー祭とうとうラスト一週間が迫ってきましたよっっ!!
是非是非投稿、ネタ提供どしどしご応募あれっっ!!